カーティ

CAR-T療法(免疫細胞療法)

血液ガンに有効

2017年、米国で承認された「遺伝子改変T細胞療法」
血液ガンの一種を対象にした治験では1回の点滴で7~9割の患者で体内からガン細胞が無くなった。
効果が高いのはヒトが本来持っている免疫の仕組みを利用するため。

T細胞は免疫細胞の一種で、ウイルスに感染した細胞などを異物として認識、異物が無くなるまで徹底的に攻撃し続ける。
しかし、ガン細胞はウイルスと違って、自分の細胞がガン化してできるため、異物として認識しにくかった。

米セント・ジュード小児研究所のダリオ・カンバーナさんと今井千速さんらは、遺伝子改変技術を使ってガン細胞を異物として認識するCAR-T細胞を開発した。


T細胞の表面にガン細胞にくっつく抗体というタンパク質をくっつけ、抗体の裏側に異物を知らせるタンパク質と攻撃を仕掛ける命令を送るタンパク質をつないだ。

この細胞を臨床応用したのが、C・H・ジューン米ペンシルベニア大学教授。


点滴で患者の血管に入れると血液の中を駆け巡り、ガン細胞を発見すると体内からガンが無くなるまで、攻撃し続ける。

 

ただ、
今回承認されたCAR-T細胞は、ガン細胞とB細胞の両方を攻撃してしまう。
そのため、患者はB細胞を分泌する物質を点滴で補充する必要がある。

CAR-T細胞が体内にある限りB細胞の補充は数年続く。

CAR-T細胞はT細胞に3種類の遺伝子を導入し、特殊な培養技術を用いる。

 

2017年12月08日