近赤外光をつかったガン治療は「光免疫療法」として、米国で治験が進んでいる

2017年、東京理科大学の上村真生助教と曽我公平教授のグループ。

ガン治療に使うナノ粒子を開発した。

ナノ粒子をマウスの血中に入れて近赤外光を当てると血管を撮影できる。

蛍光を発して患部を特定し、同時にガン細胞を傷つける活性酸素を出して攻撃する。

近赤外光は、可視光と赤外光の間にある波長約0.7~2.5㍃㍍の電磁波。

近赤外光を吸収する物質は少ないため、可視光よりも体の中に深く届く。
可視光では見えなかった皮下の組織や血管なども観察できる。

研究グループは、イットリウムという元素をつかったセラミック粒子に、1%ぐらいのエルビウムという元素を混ぜた直径約60ナノ㍍のナノ粒子を作製した。続いて可視光が当たると活性酸素を発生する物質をナノ粒子の表面につけた。

このナノ粒子に近赤外光を当てると近赤外光の蛍光を放出するほか、2段階の励起が起こり、可視光の蛍光も出す。

①近赤外光の蛍光でガン細胞の場所や大きさを特定。

②可視光の蛍光で表面から活性酸素が発生し、ガン細胞を攻撃する。

 

ガンの治療に使う場合、血中に直接ナノ粒子を入れる。

ナノ粒子は「EPR効果」という現象によってガン細胞に集まる性質がある。

2017年12月01日