平安の標準治療薬
「大同類聚方」
桓武天皇が命じ、808年平城天皇が完成させた日本最古の医学書。
大同類聚方の伝本「寮本」を見て驚いた。
陰陽五行説をもとにした漢方医学とは思想がまるで違う。
人体は天の火の気と、土(地)の水と味(食物)が混じってできたという。日本独自の医学理論があった。
たとえば
出雲神薬は、松江市の布目奈大穴持神社で「はやち、頭痛、身熱りおぞけするものに用うべき薬」とある。
分量は
ハマオホネ(防風)4分
ハマアカナ(柴胡)3分
サクラカハ(桜の皮)5分
薬方の出所は神社が多く、全国約140社から約180の薬方が採録されている。
根本幸夫・横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター長
2019.10.2日本経済新聞より。