「め」漢方処方

【漢方め】
 

明眼一方《勿誤薬室方函口訣》
「防風、菊花、車前子、滑石、桔梗」
◎此方は芸州、《土生氏家伝》にて諸方に加味して用いる。
◎天行眼(流行性結膜炎):「敗毒剤」
◎湿眼(梅毒による眼疾患):「解毒剤」

 

明眼地黄丸《東醫寶鑑》
「熟地黄・生乾地黄各4両、石斛・甘菊・防風・枳殻各1両、牛膝7銭半、杏仁5銭」作末し蜜で梧子大の丸剤。空腹時に温酒or塩湯で50~70丸飲む。
◎老人の冷涙と昏花を治す。

 

明鏡膏《東醫寶鑑》
「黄丹1両、実粉・乳香・硃砂各5分、硼砂・銅緑各3分、没薬2分」作末し蜜で練り水を少し入れて薬末で調合して艾葉でいぶし香油少し入れて炒って点眼する。
◎眼目の昏花・努肉・雲瞖・腫痛に効く。

明滋陰目丸=滋陰明目丸
「党参1両・人参1両・枸杞子1両・丹参6銭・炒生地黄1両・柴油桂5銭・陳皮3銭・肉蓯蓉5銭・沙苑子5銭・朱砂5銭・当帰1両・赤芍5銭・楮実子5銭・川芎3銭・土茯苓1両・炒酸棗仁5銭・柏子仁5銭・天門冬5銭・麦門冬5銭・茯神5銭・枳穀5銭・焦三仙1両2銭・知母4銭・黄柏4銭・青葙子3銭・檳榔5銭・兎絲子1両・欝金5銭・黄蓍5銭・石菖蒲5銭・菊花5銭・蔓荊子5銭・甘草5銭・草決明子3銭・製大黄2両・養肝散10両」
以上を粉末にし、3銭の蜜丸に作り、毎服半丸ないし1丸服用。

 

明目細辛湯《東醫寶鑑》
「羗活・麻黄根各1銭半、防風1銭、荊芥7分、藁本・白茯苓・当帰梢各5分、生地黄・蔓荊子・川各3分、桃仁5箇、川椒4、細辛・紅花各2」水煎服。
◎目の周りがつれ、まつ毛が乾き、目の上下が腫れ、瞳が痛く、涙が流れ目が開けられない者。

 

明目地黄丸《東醫寶鑑》
「生乾地黄(酒洗)・熟地黄各4両、牛膝(酒洗)・白蒺藜(炒)各3両、知母(塩水炒)・黄柏(酒炒)・菟絲子(酒製)・独活・枸杞子各2両」作末し蜜で梧子大の丸剤。空腹時に100丸飲む。
◎精が出、血と腎を補強し、瞖膜と眼熱を治す。

 

明目磁朱丸《中医雑誌1958年10月号》
「磁石6両・兎絲子3両・巴戟5銭・遠志肉1両・九制熟地黄・石斛1両・柴油桂5銭・五味子5銭・広木香3銭・甘草5銭・神麹4両・細朱砂5銭・肉蓯蓉1両5銭」
忪磁石:火で酢を忪し、7回焼き入れし、水飛して、粉末にする。
肉蓯蓉:皺皮を除き、一晩酒に浸して焙じて乾燥。
以上の薬を蜜で練り、3銭の丸剤にする。毎服半丸ないし1丸服用。

 

明目壮水丸《東醫寶鑑》
「黄柏と知母(の汁を絞って乳と混ぜ晒し乾燥)各2両半、熟地黄・生乾地黄(酒洗)・天門冬・麦門冬・山茱萸(酒蒸)・甘菊各2両、枸杞子(酒洗)1両6銭、牛膝(酒洗)1両3銭、人参・当帰(酒洗)・五味子・菟絲子・白茯神・山薬・柏子仁(炒)・沢瀉・牡丹皮(酒洗)各1両、白豆蔲3銭」蜜で梧子大の丸剤。      空腹時に塩湯で100丸飲む。
◎肝腎が不足し、眼目が昏暗、常に黒花が見え、冷涙が出る者。

 

明目流気飲《東醫寶鑑》
      「
◎肝経が不足し風熱が上がって見るものがかすむ者。

明朗飲《和田東郭》《龍野ー漢方処方集》
「茯苓4.0g、桂枝3.0g、黄連・白朮・車前子・細辛・甘草各2.0g」
◎「苓桂朮甘湯車前子・細辛・黄連」《勿誤薬室方函口訣》
◎風眼(流行性結膜炎)を治す。
◎諸々の風熱、眼目、黴気上衝する者を治す《黴瘡約言》
◎此方は、風眼のみならず、逆気上衝、眼中血熱、或いは翳を生ずる者を治す。
◎今、眼科用にゆる処の「芣苡湯」「排雲湯」皆此に類方なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎充血性眼病

 

瑪瑙平肝湯《中薬臨床応用》
「瑪瑙9g(打砕)(先煎)、丹参12g、石斛9g、柴胡9g、菊花9g、地竜9g、鶏血藤15g、酸棗仁9g、生地黄12g、白芍薬6g」水煎服。
◎肝陽上亢。


 

滅瘢散《東醫寶鑑》
「鉛粉1両、軽粉2分半」細末にし、猪脂で調合して1日3回塗る。
◎痘痂が落ちても、そのあとが黒く、凸凹の形があるとき。

 

綿実湯《本朝経験》
 「綿実仁、甘草」      
◎卒に腰腹弦急し、動揺する能わざるを治す。
◎不大便者には:「大黄」
◎此方は本邦の俗伝なれども腰痛に即効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎疝積発動し、筋絡攣急、一身攣急、一身束し、以て轉側し難きを療す。
◎腰痛:「茴香」《方読便覧》
       
       

綿繭散《証治準縄》
「蛾綿繭・白礬」をつきくだき、繭内に入れて満たし、炭火で焼いて白礬の汁がつきたら取り出し、細末にし、膿をきれいにふき取ってから、瘡上に貼る。